鎌倉時代(12〜14世紀)は、武士の台頭や戦乱、飢饉・災害が相次ぎ、社会全体に不安が広がった時代でした。それまでの仏教は、経典を学べる貴族や、厳しい修行を積める僧侶など、限られた人のためのものという側面がありました。

こうした中、法然、親鸞、道元、日蓮といった僧侶たちが、身分や学識に関わらず、誰もが救われる道を説き、新しい宗派を次々と開いていきました。

興味深いことに、これらの新しい宗派を開いた僧侶たちは、実はほとんどが、若い頃に比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじ)で学んだ、いわば**「同窓生」**でした。法然、親鸞、道元、日蓮、そして臨済宗りんざいしゅうを開いた栄西も、若き日に比叡山ひえいざんで仏教を学んでいます。中でも、比叡山ひえいざんの中の「横川(よかわ)」という区域には、これらの僧侶の多くが実際に滞在しており、日蓮聖人にいたっては、約12年もの長い歳月をこの地で過ごしています。同じ場所で学びながら、それぞれが異なる道を切り開いていったというのは、なんとも興味深い巡り合わせです。