仏像は、大きく4つの種類に分けられます。
- 如来:すでに悟りを開いた存在。装飾のないシンプルな姿(阿弥陀如来など)
- 菩薩:悟りを目指し修行中の存在。華やかな装飾を身につけた姿(観音菩薩など)
- 明王:怒りの表情で人々を導く存在(不動明王など)
- 天部:仏教を守る神々(四天王、弁財天など)
千本の手を持つ、千手観音のひみつ
菩薩の中でも人気の高い千手観音(せんじゅかんのん)は、その名の通り千本の手を持つとされますが、実際の仏像の多くは42本の手で表現されています。中央で合掌する2本の手を除いた40本の手が、それぞれ25の世界を救うとされ、40×25で1000という数を表しているのです。細部にまで意味が込められている、というのも仏像の面白さの一つです。
戦いの神から、仏法の守護神へ——阿修羅像
奈良・興福寺の阿修羅像は、日本で最も有名な仏像の一つといわれています。「天部」に分類される阿修羅は、もともとインド神話に登場する、争いを好む戦いの神でした。しかしお釈迦様の教えに触れて心を改め、仏法を守る存在になったと伝えられています。興福寺の阿修羅像は、3つの顔と6本の腕を持ちながら、怒りではなく、どこか憂いを帯びた繊細な表情で作られていることでも知られ、多くの人を惹きつけています。荒々しい神が、教えに触れて守り手に変わっていく——そんな物語も、仏像を見るときの一つの楽しみ方かもしれません。

